新生銀行「大同のMMF」繰上償還を受け他行宛月5回振込手数料無料維持の代替案を考える
簡単な方法で、月5回他行宛振込手数料が無料となる権利を得られていました
新生銀行には「新生ステップアッププログラム」という制度があり、預金残高や同行の取り扱う商品を保有するなど、諸条件を満たすと振込手数料が無料になるなどの特典が得られます。
その中で、「当行所定の投資商品の月間平均残高が30万円以上」を満たすと、他行宛振込手数料が月5回まで無料になる「新生ゴールド」というランクを獲得できていました。(その他の特典はあまり実用的でないものが多いので割愛します)
「当行所定の投資商品」は色々あるのですが、従来は「大同のMMF」という商品を買うのが鉄板とされていました。なぜならMMF(公社債投資信託)は元本割れの可能性が極めて低く、ほぼ預金感覚で30万円預けさえすれば振込手数料無料の権利が得られるためです。また信託報酬が低く抑えられており、同行では珍しく購入時の申込手数料が無料だったのも一因です。
しかし、昨今の政策金利の低下、さらにはマイナス金利の導入に伴い同信託を運営するT&Dアセットマネジメントが同信託の16年4月での繰上償還を発表しました。投資対象としていた日本国債をはじめとする公社債の金利が軒並み低下したためだと各種報道では伝えられています。
異議申し立ての期間はありますが、このままですと2016年2月16日をもって新規申し込み終了となり、本投信を購入することで得られる新生ゴールドのランク・月間5回までの他行宛無料振込の権利も遅かれ早かれ消滅します。
MMFの完全な代替手段となる商品は該当なし
では、「大同のMMF」の代替となるような商品はあるのでしょうか。お世辞にも新生銀行の投資信託ラインナップは良いとは言えません。毎月の分配金で見た目の収支を良く見せようとする投信や、購入時に高率の申込手数料を支払う必要がある投信などが幅を効かせている状態です。
また、MMFは元本割れの可能性が極めて低い投信のため、同等のリスク許容度の商品をお探しの場合は残念ながら「該当なし」となります。その場合は「新生ゴールド」のランクを維持するために円定期預金に100万円以上預ける等、別の対策が必要となるでしょう。
セカンドベストとなる商品は「Funds-i 国内債券」
「大同のMMF」同様、主に国内の債券に投資する投信で「Funds-i 国内債券」という商品があります。NOMURA-BPI総合という指標(インデックス)と同じ動きを目指すファンドに投資しているため、MMFより高い確率で元本割れのリスクが伴いますが、他の投信と比べると価格の変動幅は低くなる可能性が高い商品です。ニッセイアセットマネジメントのサイトにちょうど良い解説がありましたので、よろしければご覧ください。私はこのままMMFが償還された場合、この商品を購入する可能性が極めて高いです(また実際に購入しましたらご報告します)。
もちろん「投資」ですのでリスクはあります
元本割れの可能性が極めて低いMMFですら、過去に元本割れを起こしたことがあります。今回代替案として提示した「Funds-i国内債券」は日々価格が変動する商品であることを忘れずに、自己責任で投資を楽しんでください。